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森林浴が働く女性の免疫機能を高めストレスホルモンを低下
2008年03月28日
森林総合研究所と日本医科大学、森林浴が働く女性の免疫機能を高めストレスホルモンを低下

 森林総合研究所と日本医科大学は、森林浴が働く女性の免疫機能を高め、ストレスホルモンを低下させることを科学的に証明した。

 森林浴の認知度は高まっているが、さらに普及させるためには免疫機能向上やストレス低下など健康への効果を科学的に検証することが必要だ。このため、日頃過酷な職場環境でも、若くてもストレスが高いと考えられる東京の女性看護師13名を対象に、長野県の落葉広葉樹林を主体とした森林地域で2泊3日の森林浴を体験してもらい、免疫系、内分泌系等への影響を測定した。その結果、森林浴が女性の抗がんタンパク質を増加させ、それが継続することで抗がん免疫機能を高めることを明らかにした。また、尿中アドレナリン等のストレスホルモンが低下したことから、森林浴のリラックス効果を実証できた。これら女性への免疫能向上及びストレス低減効果は日本で初めての結果となっている。

 森林浴は、ストレス解消や健康増進のためのセルフメディケーションの手段として、認知度が高まってきている。一方、森林を維持、保全しながら木材生産以外にも活用し、地域振興を図る手段として着目されている。この森林浴をさらに普及させるためには、免疫機能向上やストレス低下等健康への効能を科学的に検証することが必要だ。

 これまで森林総合研究所と日本医科大学は、「男性サラリーマン」について森林浴がヒトNK(ナチュラル・キラー)細胞及びリンパ球内抗がんたんぱく質の増加によってNK活性を上昇させ、持続効果があることを明らかにしてきた。一方、内分泌系などが男性と異なる女性においては、森林浴の効果は明らかにされていなかった。このため、同研究では、人命を扱う多忙な職場環境で、若くてもストレスが高く免疫能が低下していることが予測される女性看護士に対する森林浴の効果を解明することを目的とした。

 同研究の対象者は、東京都内の大学付属病院に勤める健常な女性看護師13名で、年齢25〜43才、看護師歴4〜18年。これまでの実験と比べ、被験者が女性であるため、ホルモン等の指標を使う同実験では、事前に生理周期が一致した被験者を選択する必要があった。森林浴の前後で、ガン細胞やウイルスを殺傷するNK細胞の活性、NK細胞が放出する抗がんタンパク質であるパーフォリン、グラニューライシン、グランザイムAとBのレベル、リラックス状態で減少するとされる尿中アドレナリンとノルアドレナリン濃度等を測定した。同研究は日本医科大学の倫理委員会で承認され、同研究の実施に当たっては、全ての被験者から文書でインフォームド・コンセントの手続きを取ったという。

 対象者は長野県信濃町にある「癒しの森」に2泊3日間滞在し、雑木林とスギ林の森林遊歩道を散策した。1日目の朝東京を出発し、午前中現地に到着、午後から最初の2.5キロの森林遊歩道を2時間かけて散策した。散策については日頃の運動量を考慮した上で、散策のコースと距離を設定した。宿泊地は森林遊歩道近くのホテルとした。2日目の朝8時に採血して、血液を大学に持ち帰り上記の検査を行った。対象者は引き続き午前と午後2時間ずつ、それぞれ 2.5キロの森林遊歩道を散策した。3日目の朝8時に採血して、血液を大学に持ち帰り同様の検査を行った。また、森林浴前のデータは出発の3日前に採取した。森林浴の持続効果を調べるために、森林浴後1週間と1ヵ月にそれぞれデータを採取した。

 その結果、森林浴の女性のNK活性への効果では、森林浴1日と2日目ならびに7日後にいずれも森林浴前に比べ有意に高いNK活性を示し、森林浴がNK活性を上昇させ、持続効果のあることが明らかとなった。

 森林浴の女性のNK細胞数への効果では、森林浴1日と2日目ならびに7日後にいずれも森林浴前に比べ有意に高いNK細胞数を示し、森林浴はNK細胞数を増加させ、持続効果のあることが明らかとなった。

 森林浴の女性のリンパ球内抗がんたんぱく質への効果では、森林浴によるNK活性増加の機序を検討するために、NK細胞内のグラニューライシン、パーフォリン及びグランザイム AとBのレベルを測定した。森林浴1日目と2日目ならびに7日後にいずれも森林浴前に比べ有意に高いレベルを示し、森林浴は女性看護師のリンパ球内抗がんたんぱく質を増加させ、持続効果のあることが明らかとなった。

 また、森林浴が女性の尿中アドレナリンとノルアドレナリンの濃度を減少させた。一般的にヒトの副交感神経が優位の状態(いわゆるリラックス状態)では、尿中のアドレナリンとノルアドレナリン濃度が減少するといわれている。今回の結果は森林浴によるリラックス効果を実証したといえる。一方、女性ホルモン及びその他の要因によるNK活性への影響は認められなかった。

 森林浴は女性看護師のNK細胞数および細胞内抗がんたんぱく質の増加によってそのNK活性を増加させ、持続効果が認められた。フィトンチッド及び森林浴によるリラックス効果がこの活性化に寄与したと考えられる。森林浴はNK活性を上昇させることから、がんの予防効果が期待されるとのこと。また、女性をはじめ、ストレス過多の都市住民に全国の森林地域で森林浴滞在をしてもらい、免疫能を上げ、ストレスホルモンを減少させて健康を維持することで、森林の利活用や地域振興・医療費の増大抑制が期待されるとしている。

 なお、同研究の成果は、第78回日本衛生学会総会(3月29日、熊本市民会館)で発表(公募シンポジウム1「日本・韓国ならびに世界の森林浴研究動向」)する。

[用語解説]
NK活性:ナチュラル・キラー活性のことで、ガン細胞やウイルスを殺傷するNK(ナチュラル・キラー)細胞の活性をいう。

アドレナリン、ノルアドレナリン:副腎から分泌されるホルモンで、血圧や心拍数を上昇させる。

パーフォリン、グラニューライシン、グランザイムAとB:NK細胞がガン細胞などを殺傷する時に放出するタンパク質などをいう。

●森林浴に関する実験データ[PDF]

森林総合研究所=http://ss.ffpri.affrc.go.jp/
日本医科大学=http://college.nms.ac.jp/




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